広島高等裁判所 昭和49年(行コ)3号 判決 1976年3月25日
広島市己斐中一丁目八番三号
控訴人
中村シヅエ
同所
同
中村武治
呉市溝路町四丁目一の四〇一
同
中村充宏
広島市己斐中一丁目六番二三号
同
中村幸夫
同市庚午北二丁目六番九号
同
中村和博
同市庚午北二丁目六番二一号
同
中村正
右六名訴訟代理人弁護士
広兼文夫
福永綽夫
同市加古町九番一号
被控訴人
広島西税務署長
吉岡実
右指定代理人
坂本由喜子
松下能英
戸田由己
岡田安央
右当事者間の所得税更正決定取消等請求控訴事件について、当裁判所は次のとおり判決する。
主文
原判決中、亡中村登に関する部分を左のとおり変更する。
被控訴人が昭和三九年三月一四日付でした、亡中村登の昭和三五年度分の所得を四七二万五、〇一九円(ただし審査請求に対する裁決により四五九万三、九五八円と変更された。)と更正した処分は、四〇五万九、二五〇円を越える部分につきこれを取消す。
控訴人等のその余の請求を棄却する。
訴訟費用は、第一、二審を通じて、これを一〇分し、その一を被控訴人の、その余を控訴人等の、各負担とする。
事実
控訴人等は、「原判決中亡中村登に関する部分を左のとおり変更する。被控訴人が昭和三九年三月一四日付で、亡中村登の昭和三五年度分の所得を四七二万五、〇一九円(ただし審査請求に対する裁決により四五九万三、九五八円と変更された。)と更正した処分のうち八七万〇、七六五円を越える部分、昭和三六年度分の所得を一九九万八、二四七円(ただし審査請求に対する裁決により二〇一万七、九九七円と変更された。)と更正した処分のうち九四万〇、六六五円を越える部分をそれぞれ取消す。訴訟費用は第一、二審を通じて被控訴人の負担とする。」との判決を求め、被控訴人は、「本件控訴を棄却する。控訴費用は控訴人の負担とする。」との判決を求めた。
当事者双方の主張および証拠関係は、次のとおり訂正、付加などするほか、原判決事実摘示(ただし亡中村登に関する部分)のとおりであるから、これを引用する。
一、原判決一一枚目表の二行目に「厚井哲司」とあるのを「厚井哲二」と訂正し、同頁の五行目にある「原清明、」を削除する。
二、原判決添付の別表二の貸店舗欄の三川町アパート中川肉店分に「10800」とあるのを「108.000」と、別表五の一の25の利息欄に「68.107」とあるのを「77.576」と、別表五の六の「原告の認否」欄の全記載を「認める。」と、別表五の九の利息金額欄のうち35、10、13分(原判決四〇枚目表に記載)に「13118」とあるのを「13188」と、35、12、11分(同)に「14970」とあるのを「14920」とそれぞれ訂正する。
三、同添付の別紙二のⅡ乙号証の番号欄のうち「32の2」の次に「32の3」をそう入する。
四、控訴人等の主張
控訴人等は、柳川勲、同淳、同知枝に対し、昭和四九年三月一一日付内容証明郵便をもって、同人等の控訴人等に対する約束手形金債務(後日公正証書により準消費貸借契約上の債務になった分)の残額二六五万六、七二七円の債務を免除し、なおその他の債務があればそれも免除する旨の意思表示をし、右書面はそのころ同人等に到達した。
従って、右債務の存在を前提とする被控訴人主張の所得は存しない。
五、証拠関係
控訴人等は甲第一〇号証を提出した。
被控訴人は、右甲号証のうち郵便官署作成部分の成立は認めるが、その余の部分の成立は不知、と述べた。
理由
一、当裁判所は、被控訴人がした、亡中村登の昭和三五年度の所得金額を四七二万五、〇一九円(ただし審査請求に対する裁決により四五九万三、九五八円と変更された。)とする本件処分は四〇五万九、二五〇円を越える部分を違法として取消すべきであり、控訴人等の本訴請求は右の限度において理由があり、その余は失当として棄却すべきものと判断する。その理由は、次の点を訂正などするほか、原判決理由一、三項記載のとおりであるから、これを引用する。
(一) 原判決一三枚目裏の終りから四行目の「哲司」とあるのを「哲二」と訂正する。
(二) 同一四枚目裏の四行目の「右乙号証のほか」から、六行目の「ないし三」までを「別表五の一、二の認定欄記載の書証」と訂正し、同行の「同今田英美子」の次に「原審証人柳川淳」をそう入し、同頁の終りから二行目以降、次頁の最初の行にかけてある括弧書き部分を削除する。
(三) 同一五枚目表の最初の行の次に、左のとおり付加する。
「原判決添付の別表五の一の25の利息金七万七、五七六円の内訳は、本判決添付の別紙目録(一)の認定欄記載の書証と前記証言により、同目録(一)のとおりであることが認められる。」
なお、原判決添付の別表五の一の25の認定欄の記載を削除する。
(四) 原判決一六枚目表の終りから五行目の次に「原判決添付の別表五の六記載の被控訴人主張事実は当事者間に争いがない。」とそう入し、同表の認定欄の記載を削除する。同頁の終りから四行目に「別表五の三ないし八」とあるのを「別表五の三ないし五、七、八」と訂正し、同行の「証拠」の次に「および原審証人長畑正憲、同柳川淳、同今田英美子の各証言」をそう入し、同頁の終りから二行目以降、次頁の二行目にかけてある括弧書き部分を削除する。
(五) 原判決添付の別表五の九の認定欄のうち、35、1、21分(原判決三七枚目表)の「乙2の15の1」とあるのを「乙2の15の12」と、35、5、18分(同)の「〃〃6」とあるのを「〃〃9」と、35、7、16分(同)の「〃〃23」とあるのを「乙2の15の23」と、35、8、15分(同)の「〃〃24」とあるのを「乙2の15の24」と、それぞれ訂正する。
(六) 原判決一七枚目裏の終りから二行目に「右乙号各証」とあるのを「別表五の九の認定欄記載の書証および原審証人長畑正憲、同柳川淳、同今田英美子の各証言」と訂正し、同頁の最後の行から次頁の最初の行にかけてある括弧書き部分を削除する。
(七) 同一八枚目表の三行目の「証拠」の次に「および原審証人長畑正憲、同柳川淳、同今田英美子の各証言」とそう入する。
(八) 同一八枚目裏の四行目の「柳川淳から」とあるのを「中村登として」と訂正する。
(九) 同一九枚目表の終りから五行目の「6ないし19」の次に「、以上の利息は原審証人長畑正憲、同柳川淳、同今田英美子の各証言および乙第二号証の一四の四によって認められる。」とそう入し、最後の行に「(ロ)参照」とあるのを「(イ)参照」と、同じ行に「九〇万六、七四一円」とあるのを「七三万三、三七〇円」と、それぞれ訂正する。
なお、原判決添付の別表四の<11>の認定額欄に「906741」とあるのを「733370」と訂正する。
(一〇) 同二〇枚目表の三行目から四行目にかけて「四八五万一、五四九円」とあるのを「四六七万八、一七八円」と、六行目に「四二六万七、三四九円」とあるのを「四〇九万三、九七八円」と、七行目に「「四二三万二、六二一円」とあるのを「四〇五万九、二五〇円」とそれぞれ訂正する。
なお、原判決添付の別表四のⅠの計の認定額欄に「4.851.549」とあるのを「4.678.178」と訂正する。
(一一) 同二一枚目裏の二行目の「別表五の一四ないし一七、」の次に「一八のうちの36、2、16分、」を、三行目の「証拠」の次に「および原審証人長畑正憲、同柳川淳、同今田英美子の各証言」を、同行の「17、」の次に「18のうち36、2、16分、」を四行目の「一七、」の次に「一八のうち36、2、16分、」を、それぞれそう入する。
(一二) 同頁の五行目の次に「ただし、原判決添付の別表五の二〇の35、12、15分の利息一万円については、乙第二号証の九と前記証言によると、中村登が広島緑地建設株式会社からこれを受領したことが認められるが、右は同会社が中村登から昭和三五年一一月一七日借入れた金一〇万円に対する利息に該当し、同年一二月一五日借入れた金二〇万円に対する利息は、別表五の二〇の36、1、11分と36、2、28分のみではないかとの疑問があり、もしそうだとすると、本件利息一万円は別表五の七の35、12、15分と二重になるものと推認されるので、この点に関する被控訴人の右主張事実を肯定するに十分ではない。」と追加し、別表五の二〇の利息支払日欄にある「※」印と欄外にある※支払期は一ヶ月後」と、35、12、15分の認定欄にある「乙2の9」をそれぞれ削除し、36、1、11分の認定欄に「〃」とあるのを「乙2の9」と訂正する。
なお原判決添付の別表四の<20>の認定額欄に「〃」とあるのを「20,000」と訂正する。
(一三) 同二二枚目裏の二行目に「別紙一のとおり六一万九、九四九円となる。」とあるのを「本判決添付の別紙目録(二)のとおり六三万〇、二五八円となる。」と訂正する。
なお、原判決添付の別表四の<21>の認定額欄に「619949」とあるのを「630258」と訂正する。
(一四) 同二二枚目裏の終りから二行目の「証拠」の次に「および原審証人長畑正憲、同柳川淳、同今田英美子の各証言」を、最後の行の「乙第二号証の」の次に「一五の」を、それぞれそう入する。
(一五) 原判決添付の別表五の二三の36、3、26分の認定欄に「乙8の23」を付加する。
(一六) 原判決二三枚目裏の五行目から六行目にかけて「一九二万九、六八一円」とあるのを「一九二万九、九九〇円」と、八行目から九行目にかけて「一六〇万一、九一五円」とあるのを「一六〇万二、二二四円」と、それぞれ訂正する。
なお、原判決添付の別表四のⅡの計の認定額欄に「1929681」とあるのを「1929990」と訂正する。
(一七) 同二四枚目表の二行目から三行目にかけて「一七三万六、四一五円」とあるのを「一七三万六、七二四円」と、四行目に「二一二万九、九二九円」とあるのを「二一三万〇、二三六円」と、それぞれ訂正する。
二、控訴人等は、柳川勲等に対し、昭和四九年三月一一日付内容証明郵便をもって、同人等の控訴人等に対する約束手形債務(後日公正証書により準消費貸借契約上の債務となった分)の残額二六五万六、七二七円の債務を免除し、なおその他の債務があればそれも免除する旨の意思表示をし、右書面はそのころ同人等に到達した旨主張し、郵便官署作成部分の成立に争いなく、その他の部分は方式および趣旨に照らして真正に成立したものと認められる甲第一〇号証によると右主張事実が認められるが、右の債務免除は本件係争の年度と異なる時期に属するから、これをもって前記認定判断を左右することはできない。
三、以上のとおりであって、これと異なる原判決中の亡中村登に関する部分は変更を免れない。
よって、訴訟費用の負担につき民事訴訟法九六条、八九条、九二条、九三条を適用して、主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 宮田信夫 裁判官 高山健三 裁判官 武波保男)
別紙目録(一)
<省略>
別紙目録(二)
<省略>